Brink

Brinkは英国Splash Damage開発、オブジェクティブベースの対戦型FPSです。オブジェクティブベースというのは、マップ毎に設定された目標を時間内に達成できるか、阻止できるかを攻守に分かれて競い合うゲームスタイルを指します。また、Brinkではクラス制を採用しており、チーム内で個々の能力の違う4つクラス(職業)を適宜選択しながら目標を達成(もしくは阻止)していくことになります。プレイフィールは、同じ開発元、同じオブジェクティブベースのゲームであるEnemy Territory: Quake Warsと非常によく似ており、ゲーム自体の作りもETQWを気に入ったユーザーであれば、すんなり入っていけるようなデザインになっています。

ゲームモードは全部で三つあり、マップを一定の時間軸に沿って攻略していくCampaign、自由に設定を変えてマップを遊べるFreeplay、そしてチュートリアルとゲーム内テクニック習得を兼ねた専用のマップで戦うChallengesの三つが用意されています。プレーヤーはゲームを進めることで得られる経験値によってレベルアップしていき、新しいスキルを使えるようになっていきます。ETQWでは、この経験値はCampaignが終わるとリセットされる仕組みでしたが、Brinkでは恒久的なものに変更されており、レベルアップによって得られるポイントを消費して、豊富に用意されたスキルの中からプレーヤー側で取捨選択していく複雑なものに変わっています。また、武器も20種類以上ある中から選べるようになっており、性能をカスタマイズできるアタッチメントの存在など、全体的にRPGライクなシステムを採用しています。ついでにキャラクターの外観もカスタマイズができるようになっており、最近流行りのアバター宜しく顔や髪形、服装などを細かく変更できるようになっています(こちらは性能には影響しない)。

とりあえず4,5時間遊んだ時点でのファーストインプレッションになりますが、個人的には非常に面白いと思いました。オフラインプレイでの評価になります。全体的なゲームデザインに関しては、よく練られていると感じました。オブジェクティブベースで行われる、目標をクリア(もしくは阻止)しながら戦線をスライドさせていくスピード感のあるゲーム展開は相変わらず楽しいです。今回はマップが非常に狭く作られているのが特徴的で、移動の窮屈さをパルクールアクションでカバーしながら走り回る形になっているため、一般的なFPSと比べても密度の高い戦いになっています。Brinkでは基本的に8vs8に16人対戦が基本ですが、敵味方10人以上が一つのホールで戦い合うことも多く、全体的にがんがん倒して、がんがん倒されるデザインになっていて、爽快感があります。ただ、マップの構成上、遮蔽物に使えるオブジェクトが少なく、全体的に真正面から打ち合いになるシーンが多く、その点はちょっと退屈に感じます。

キャラクターカスタマイズについては、スキルや武器を様々な種類から選択できるのはリプレイ性を増しており非常に気に入りました。Brinkで用意されているMAPは8つと、ちょっと少ない感じは否めないので、うまくその部分をカバーしていると思いました。外観のカスタマイズについては最初、せっかくカスタマイズしてもFPSなので自分の姿が見えないんじゃ…と思ってあまり期待してなかったんですが、Campaignの途中に挿入されるカットシーンにさりげなく登場していたりして、なかなか面白いと思いました。

期待していたAIの動きについては、まずまずだと思います。海外のレビューでは、期待外れという声が多いですが、特に奇妙な動きが見られるわけでもなく、ETQWと比較しても相変わらず、よくゲームシステムを研究しているような動きをするので頼りになります。ただ非常に残念なのが、ETQWで用意されていたクイックチャットが廃止されている点で、AIに対して命令を発信できないのが非常に残念です。これさえできれば、ほとんど完璧なのにな…と思いました。

最後になりますが、バグがちょこちょこ見受けられるのが気になりますね。ゲーム中突然、文字がグリーキング(というか文字化け?)されてしまうのが非常に気になります。また、自分の環境では、ambient occlusionやanti-aliasingなどを有効にすると画面が正常に表示されません。逆に、シングルプレイでフレームレートが30fpsに固定されるという問題には遭遇しませんでした(60fps固定)。発売直後から、頻繁にバージョンアップが行われているようなので、今後のバグフィックスに期待したいです。

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