Microsoftから発売された、オンライン対戦に特化したFPSです。Counter Strikeライクなラウンド制をベースに、最大16人(8vs8)でCapture The Flagができます(シンプルに敵を全滅させるルールもあります)。最大の特徴は、一般的な重火器に加えて魔法が使えるところで、このゲーム最大のオリジナリティになっています。
魔法の種類は多くはありませんが、どれも強力で、地面に障害物を発生させる「Strangle」や、周囲のプレーヤーの体力を回復できる「Tree of life」などがあります。特に面白いと思ったのが、瞬間移動を可能にする「Teleport」と仲間を死亡から復活させる「Resurrect」です。前者は、壁なども通過できるようになっており、敵に囲まれたりした場合でも、一瞬にして下の階に移動出来たりすることができます。後者で面白いのが、無条件で味方が復活できると思いきや、復活させた側が死亡すると復活させられた側の体力が徐々に減っていってしまうというペナルティがあるところです。何度も「Resurrect」を乱発した後に死んでしまったりすると周りの仲間が連鎖的に倒れてしまい、一気に形勢が不利になったりと、なかなか面白くできています。この体力の低下も「Tree of Life」の周囲に留まることでその影響を相殺できたりと、複数の魔法を連携させることもできます。魔法が使えることでゲームプレイが大味になりそうな感じもありますが、魔法をうまく活用できるようなマップデザインを含めて、ゲームバランスはかなりよく練られていると思います。Counter Strikeと同じくゲーム展開はスピーディーで、短いプレイ時間で白熱した戦いが楽しめます。あと、この手のゲームでは珍しくAIとのシングルプレイも遊べるようになっています。AIの挙動は比較的な複雑なゲームシステムにもかかわらず、この手のゲームではかなり良くできている感じで、ETQWなどと同じく相変わらず自分はシングルプレイで遊んでいます。

しかしながら、このゲーム、まったくと言っていいほど盛り上がらず失速してしまったゲームです。PCゲームとしては、まだ発売されて間もないWindows Vista専用としてリリースされたこともあり、間口の狭い部分が足を引っ張ってしまったことは否めません。またオンラインモードに関しても、Games for Windows Live!を含めたマッチングシステム全体が絶望的な程に完成度が低かったことも影響があると思います(これは以前「Gears of War」PC版の項で触れましたが)。XBOX360ではこれでよかったのかもしれませんが、PCゲームとしてはかなり面倒くさい仕様になってしまっています。ただ個人的にもっとも残念なのは、MODがまったくサポートされていなかったことでしょう。せっかくPCで発売されるFPSですし、せめてマップエディタだけでも公開されていれば、もう少し息が長く遊ばれていたかも…と思います。
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