11月 2011

Deus Ex: Human Revolutionです。ゲームメーカーの中でも老舗のEidos Interactive開発のアクションゲームです。PCで発売され、非常に高い評価を得たDeus Exシリーズの3作目になります。ゲームは、人体改造Argumentationの技術を有する企業Sarif Industriesが謎の襲撃を受けるところから始まります。同社の社員である主人公は、襲撃に巻き込まれて命を落としかけるものの、体の多くをArgumentation化することで一命を取り留め、襲撃事件の謎を解き明かしていきます。基本的にFPSの形を取っていますが、経験値によってプレーヤーを強化出来たり、行動や選択によって展開が変わるなど、RPG的な側面の強いゲームになっています。

ゲームは非常に面白いと思いました。進行は一本道ですが、クエストクリアまでの解決方法は複数用意されていることが殆どで、RPGとしてもよくできていると思います。特に、NPCとの重要な交渉についてはプレーヤーに選択を迫る場面が多く、ロールプレイ感をうまく引き出しているという感じです。最近はRPGやアクションゲームのトレンドとしてオープンワールド系のゲームが持て囃されている感がありますが、自分はこういう、一本道ながらプレーヤーが介入する余地がある程度存在している従来のゲームスタイルの方が好みです。オープンワールド系の欠点として、ストーリーに盛り上がりが欠ける部分がどうしてもあり、世界の状況を大きく変えるようなイベントが用意されない場合も多いですが、自分は、やっぱり展開が二転三転していくような方が好きです。前に取り上げたAlpha Protocolも非常に気に入りましたし。DEHRは、Alpha Protocol程の自由度はありませんが、NPCとどう向き合っていくかについてはある程度の自由度が保たれており、勧善懲悪では無い、プレーヤーに決まった答えのない回答を迫る場面が多く、そこは非常に評価出来ると思います。正直、ストーリーに関しては続編ということもあってあまり期待はしていなかったんですが(前2作を遊んだことがないため)、技術は進歩しながらも混沌としつつある近未来の世界観と、その中で生きているNPC達それぞれの考えが交錯していきながら進むストーリーに、どんどん引き込まれました。特に後半の展開は非常に気に入りました。技術革新とそれを取り巻く人間模様に、ちょっと雰囲気的にマイクル・クライトンの小説を思い出すような感じでした。

一方アクションゲームとしての難易度はかなり高く、相当回数リトライさせられました。ただし解決方法は常に複数用意されており、セーブ・ロードともにローディングは高速なため、トライアンドエラーもストレス無く面白く感じられるようになっています。例えば、パスワードロックの掛かったドアを一つ開けるにしても、NPCなどからパスワードを入手するという正攻法の他に、ハッキングを行って無理やり解錠したり、ストレートに爆弾で吹きとばしたりと、その場に応じて臨機応変な対応が可能になっています。

本編は25時間程度で、アクションゲームとしては長い方ですが、RPGとしては短い方と言う感じでしょうか。ただし自分の場合、ストーリー本筋と直接関係なさそうなサブクエスト(クリアしてもしなくてもいいクエスト)は片っ端から飛ばし続けたため、やりこもうと思うと30時間は超えそうです。

またDLCとして、本編の内容を補完する内容のDeus Ex: Human Revolution “The Missing Link”が発売されています。自分は本編終了とともに続けて遊びました。こっちはクリアまで5時間程度と短いですが、本編同様、安定した面白さはあります…。しかし、全体的にDLCとしては本編と比べて変わり映えが無さ過ぎて、ちょっとイマイチという感じです。時系列的に本編後半に位置するものの、本編とは完全に独立した内容になっており(ステータス引き継ぎ等無し)、Argumentationが初期化されてしまっているのが残念。最初にまとまったポイントストックがあって、自由にキャラクターメイキング出来るようになっていればよかったのになと思いました。本編のシステムを流用した単純なミッション集という感じで、ストーリー的には本編を補完する内容なので、本編がすごく気に入った人にはどうぞという感じでしょうか。(スクリーンショットはThe Missing Linkのものです)

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