先日、話題に挙げたGears of Warですが、Xbox360での話題を聞くに、マルチプレイが面白い! とのことで、物は試しにと少し遊んでみました。ご存じのとおりXbox360ではMicrosoft自らXbox Live!というゲームのホスティングサービスをしており、基本的に同プラットフォームで発売されるマルチプレイ対応のゲームのほぼ全ては、このサービスを介してネット対戦等を実現しています。このXbox Live! は有料ながらオートマッチングなどが手軽に利用できるということもあって、なかなか好評を博しているそうですが、この成功の方程式をPCに持ち込んだサービスが、Windows版Gears of Warのマルチプレイでも採用されているGames for Windows Live! というわけです。
これはどういうものかというと、一応大雑把にいえば、Xbox Live! とのインターフェースやサービス内容の共通化を図って、PCでのマルチプレイをより簡便なものにしようというもので、そもそもネット対戦の源流がPCというプラットフォームにあることを知っている人間からすればなかなか野心的なサービスと言えるでしょう。現状のPCゲームのホスティングサービスの多くがGameSpyを利用している、もしくは大作タイトルにおいてはそのタイトル独自のホスティングサービスを提供している現状を考えると、PCにおけるネット対戦環境の改善策としては久々の大ニュースと言えるかもしれません。
ただし、前述のGameSpyなどの従来の競合他社のサービスと違う点は、Xbox Live! と同様にGames for Windows Live! でも有料購読が前提であるところで、Gears of Warに関しても非購読者(シルバーメンバーシップと呼ばれる)ではオートマッチングが選べない等の制限が課せられています。多くの…というよりMMORPGを除くほぼすべてのPCゲームのマルチプレイが、パッケージ代金に加えて追加投資の必要のない無償提供という形で解放されていることを考えると、流石プラットフォームホルダーMicrosoftという感じで、この挑戦的な内容にはPCゲームのマルチプレイの新しいスタンダードを作ろうとするこのサービスの成功についての絶対的な自信が垣間見られます。

というわけで今回はそのGames for Windows Live! 採用のGears of Warのマルチプレイのファーストインプレッションになりますが、このゲームでマルチプレイを遊ぶには、当然の如くGames for Windows Live! のアカウントを取得する必要があります。でも、これがちょっとめんどくさい…まぁそれはどうでもいいんですが、シルバーメンバーシップでは前述のとおりオートマッチングは選べません。従来のPCゲームでも一般的なサーバーブラウザからプレーヤーがホストしているサーバーを選択してのマルチプレイのみが可能です。しかし、このGames for Windows Live! のサーバーブラウザ、相手と自分の接続速度の指標となるPingが全く参照出来ないという仕様には思わず絶句しました。まぁ時間が悪かったのか、解放されているサーバーが2,3しかなかったため参加するサーバーの選択には迷うことはありませんでしたが…
どうも少し調べたところ、Xbox live! においてもPingの値は完全にユーザーが意識しなくていいように隠蔽されているようです。Games for Windows Live! の仕様もそれに追従した形を取っただけということは容易に想像できますが、ちょっと不便ですね。また、これはGames for Windows Live! の仕様かどうかは知りませんが、Windows版Gears of WarではDedicated Server Programが用意されていないのも残念な部分です。他に気付いた欠点として、サーバーブラウザに表示されるサーバー名がホストのプレーヤーの名前そのままで変更できない点や、ユーザー名を変更する手段がなくクランタグを付けられない点、サーバーにパスワード掛けられない点などが挙げられます。

ただ、Gears of Warのマルチプレイ自体はとても面白いです! 全体的にペースがゆっくりなのが自分にとっては丁度いい感じです。Doom3のマルチプレイとか好きでしたし。ただ、やっぱGames for Windows Live! 採用のマルチプレイについては不備が多く感じられて何とも、開発側はマップエディタをパッケージに同梱したりして流行らせる気満々という感じですが、発売してまだ間もないのにも関わらずあまりプレーヤーが多いとはお世辞にも言えない現状では、Dedicated Server Programの配布などがない限りこのまま失速してしまいそうな気がします。というか、よくこの内容でUnreal Tornamentで名を馳せたEpic Gamesがゴーサイン出したなという感じがしました。

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